著作権
同一性保持権著作権の主な種類

同一性保持権

同一性保持権

著作権

同一性保持権とは著作権の対象となる著作物の製作過程では、何度と無く改変が繰り返されるものです。
製作過程での改変は必要不可欠なものですが、完成した著作物を改変することは蛇足どころか著作権侵害になってしまいます。

ここでは、著作物の改変と関わる同一性保持権について解説します。

同一性保持権〜無断改変を許さない

著作者の意図以外の改変を防ぐ著作物というものは、製作中・完成後を問わず手を加えられ続けていくものです。
映画や小説などの編集や絵画におけるトリミングといった完成後の改変は、著作者の了解の元で行われるものですが、時として著作者の意図に反する形で行われてしまうことがあります。

そうした改変を防ぐのが「同一性保持権」なのです。

同一性保持権とは?

同一性保持権は著作者人格権にも関わりがある著作権で、「著作者の意図に反して内容を改変・切除、改題を行うことを禁止できる権利」のことです。
著作権を譲渡・貸しだされた著作権者ではなく作者である著作権者に帰属する権利であるため、著作物の販売・頒布を請け負った著作権者の一存だけで著作物を編集・改題することは出来ません。

同一性保持権の効果

同一性保持権が設定されることによって得られる効果の一つに「著作者の名誉声望の保護」があります。
これは著作権の基本となっているベルヌ条約で規定されている効果で、「改題だけで同一作品を新作のように見せて再販売を行う」「勝手な編集で物語の結末や表現を改竄する」といった、著作者への印象が悪くなる改変を防ぐために必要な権利とされています。

第二の効果として「著作者の作品から乖離することを防ぐ」ということがいえます。
アメリカ映画では、編集によって本来企図した作品内容から大きく乖離した映画の監督が自分の名前で発表されることを望まない時に「アラン・スミシー」という偽名を使う慣習がありますが、同一性保持権は「アラン・スミシー」の登場を編集段階から防ぐ効果があるのです。

翻案権との関係

同一性保持権と対になっている権利に「翻案権」があります。
翻案権は著作物の内容を改変することを可能にする排他的な権利で、著作者から権利を委譲された著作権者に帰属します。
つまり、同一性保持権が著作者の人格的利益を保護しているのに対して翻案権は著作権者の財産的利益の保護を目的としています。

しかし、著作者と著作権者の意図が対立することは少なくない為、翻案権の貸与・譲渡の際には同一性保持権の行使に関する契約を締結しておくのが一般的です。

パロディ事件とは?

日本における著作権侵害の判例として度々名前を挙げられるのが「パロディ事件」です。
これはデザイナーであるマッド・アマノの製作したフォトモンタージュ作品が写真家の白川義員の作品を使っていたことによって起こった裁判です。

アマノ側は「引用」を主張したものの、白川側の主張である「同一性保持権の侵害」が大筋で認められた形での和解という結果に終わっています。
この裁判は同一性保持権を扱う上で重要な役割を果たす判例となっており、「無制限な引用の抑止」「同一性保持権侵害の線引き」などに大きな影響を果たしています。

【著作権GO!GO!】コンテンツ分類
  • 【著作権の基礎知識】大切な財産を保護するための効果と罰則
  • 【著作権の主な種類】無意識に侵害しないために知らなければいけない対象と権利
  • 【著作権に関わるキーワード】海賊版のダウンロード・盗作mなどの身近な著作権問題
【著作権GO!GO!】コンテンツメニュー
  • 侵害者への罰則 - 著作権侵害の代償とは?
  • ダウンロード - 著作物がネットで拡散する
注目記事(著作権GO!GO!)ランキング